事例キーワード |
「食べない」 |
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なぜ、食べないのか?
①体調が悪い
熱があったり便秘はしていませんか?
体調が悪いのにそれをうまく伝えることができず、食べるのを拒否する場合があります。
また、服用している薬で味覚が変わったり、食欲が低下することもあります。
②口の中にトラブルがある
虫歯や口内炎、入れ歯が合わないことで痛みや違和感があり、食事を食べたくないと感じている
ことがあります。
③食べ物を認識できない / 食べ方を忘れてしまった
認知症の代表的な症状として「失認(視覚・聴覚などの感覚はあるが、物を認識できるなくなる)」
や「失行(身体を動かすことはできるが、日常的に行っていた習慣的な行為ができなくなる)」
があります。
それらが原因で目の前の食べ物を認識できず手でもてあそんだり、箸の使い方や食べ物を口に運ぶという
行為ができず食事を食べ始めることができなくなります。
④活動量の低下
日中の活動量が不足しており、結果として食が進みにくいことが考えられます。
対応方法
☑ 日常での変化や口腔内を観察して原因を探ります睡眠時間・日中の活動量・排泄回数など生活リズムの変化がないかを観察します。
また口腔ケアの際、
「入れ歯はあっているか」
「乾燥していないか」
「虫歯はないか」
「荒れていないか」
などを確認します。
☑ 必要に応じて、専門家に相談を
体調を改善したり、お薬を見直すことで食欲が出ることがあります。また入れ歯の調整をしたり、
口腔内を清潔にしたことで急に食べられるようになったケースもあります。 「おかしいな?」と
感じたら、かかりつけ医に相談してみましょう。
☑ 食事環境の調整や誘導の工夫
・「お昼ご飯を食べましょう」とお声かけし、一皿ずつ説明することで「食べる」という認識を
高めます。
・介護者が向かい側に座り食べ方を見せると、真似して食べ始めてくれることがあります。
・最初だけ一緒に箸やスプーンを持ち、介助することで「食べ物」という認知を助けます。
・好きなものから食べ始めることで「食べる」という記憶を呼び覚まします。
・おにぎりなど、道具を使わずに食べられるものを用意しておくと食べられることがあります。
☑ 活動量を増やす
活動量が不足気味の場合には、日常生活を活性化することが重要です。例えば、新聞鳥、庭いじり、
掃除や調理の手伝いなど役割を持っていただき、活動量を高めます。