事例キーワード |
昼間ウトウトしており、夜になると元気になる |
|
夜間気持ちよく眠れない原因は?
①体内時計を司る機能が低下
特にアルツハイマー型認知症の場合、体内時計を司る脳の箇所に初期から変化が生じ、
早いうちから睡眠・覚醒リズムが崩れます。
②認知機能の低下
主に、「見当識障害」により、
・昼夜の区別ができない
・夜間に目が覚めると「周囲が暗い」「自分がどこにいるのかわからない」などの不安
それにより、家の中を歩き回ったり、家族を探し一晩中眠れずに朝方疲れて眠ってしまう。
※見当識障害とは??
認知症の中核症状の1つで 、時間や季節がわからなくなる、今いる場所がわからなくなる、
人がわからなくなる といった障害
③環境による影響
認知機能が低下すると、理解判断力が低下するため状況にあった対応ができず、不安や不快な
気持ちを解消できずに眠れなくなってしまいます。
(例)・引っ越し、入院等による急激な環境変化
・家具、寝具、ベッド等寝具類の変化
・衣類の調整や気温や室温などがあっていない
④薬の影響
副作用などにより
・興奮して夜眠れない
・昼間の眠気が強く、夜眠れない
睡眠の質を保ち、健康的な生活を維持するためのポイント!
☑ 体内時計をリセット◆朝日を浴びて起きましょう!
できるだけ毎朝同じ時間に起きることを心がけます。
◆起床後1時間以内に朝食を!
炭水化物とたんぱく質の多い食事を心がけましょう。
◆起床後3時間以内に日光を浴びましょう!
30分程度日光浴をしましょう。外出が難しい場合は日の当たる窓際で過ごしましょう。
◆昼食後はお昼寝をしましょう!
13時~14時頃、30分程度。
1時間以上の昼寝は、逆効果になります。
◆昼間の活動量を増やしましょう!
できるだけ決まった時間に行える習慣を作ります。
◆夕方に軽い運動を!
寝る時間の4~5時間前にストレッチやウォーキングをしましょう。
◆1日の終わりは心身のリラックスを!
むる目のお風呂に入ったり、好きな音楽を聴くなど心身をリラックスさせましょう。
☑ 安眠のための準備
◆眠りやすい環境づくりをしましょう!
≪夏期≫ 温度28℃以下 湿度70%以下
≪冬期≫ 温度18℃以下 湿度50%以下
※ご本人の眠る高さで測りましょう。
◆夜間時の頻尿の改善!
トイレに何度も起きてしまい眠れない方も多くいらっしゃいます。
寝る前に足を挙上して、むくみを還流させておきましょう。
◆夜間はトイレまでの導線や部屋に明かりをつけておきましょう!
認知機能の低下により、目が覚めた時くらいと不安が増し安眠を妨げます。
ご本人の安心する明かりに調整しましょう。
☑ 医師に相談する
どうしても眠れない場合には、かかりつけ医に相談してみましょう。
ケアのヒント
睡眠がとれず日中の活動に支障が出て、さらに夜眠れなくなるという悪循環はご本人にとってもご家族にとってもつらいものです。生活リズムを整えるのは時間がかかりますが、一度リズムが整うとその状態で維持できる可能性はかなり高いとも言われています。「おはよう」「おやすみ」と笑顔で挨拶できる、そんな毎日のためにもできることから始めてみませんか?